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民衆のメディア連絡会編『市民メディア入門』
(『アサヒカメラ』1997年xx月号、朝日新聞社刊)
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アクティヴィズムは肯定する。何を? だれもが表現することの権利を。表現することは、それを公開し、そのことで他者に何かを問いかけることと不可分だ。
 しかし、なぜ、政治的、社会的な(と見なされた)テーマを表現した作品が検閲されるのか。なぜ、公園はだれでも使用可能なのに、同じように公共のものであるはずの電波に市民はアクセスできないのか。そうした発表=公表することに加えられる障害(検閲やパブリック・アクセスの権利を否定、隠蔽することはそうしたもののひとつだ)に対して積極的に行動することもアクティヴィズムの特徴だと言ってもいいだろう。
 「表現」を個人の営みへと回収するのではなく、より開かれた、公共的な議論の場として創造すること。アクティヴィストが単に「表現者」や「活動家」といった従来のカテゴリーにおさまらないのはそのためだ。
 民衆のメディア連絡会編の『市民メディア入門――あなたが発信者!』は、主にヴィデオやコンピュータを使って情報発信するためのガイドとして、身の回りにある手近な機材の使い方から情報整理のノウハウ、発表の仕方、海外のアクティヴィストの紹介、さらには今日のメディア環境における数々の問題点の指摘までをフォローした手ごろな入門書だ(また、巻末のホームページとヴィデオのリストも充実している)
 ここではほとんどの文章が、これまで社会運動に携わってきた人たちの経験から、こうしたメディアをいかに活用するか、という視点から書かれている。これは一方で現在のジャーナリズムが、いわゆる「公正中立」を建前にしながら市民にとって必要な情報を隠蔽していること、そしてさまざまな表現の現場から「表現の自立性」の名目でいささかでも政治的/社会的な匂いのする作品は評価の対象から排除され続けてきたことに由来するのだろう(こうした点は今日の写真表現についても当てはまるのではないだろうか)
 けれども、そのような意図からばかりではなく、表現=発信について考え、実践していくうえでも十分に示唆に富む内容となっている。本書の副題のとおり、私たちはだれもが発信(表現)者なのだ。
民衆のメディア連絡会編『市民メディア入門――あなたが発信者!』
創風社出版/初版:1997/ISBN4/本体価格:2,000円