「'96 わたしの写真集ベスト5」 (『アサヒカメラ増刊 カメラブック '97』1997年3月、朝日新聞社刊) |
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書物との偶然の出会いからくる喜悦と驚きの感覚を「写真集」から受けることは、今年はきわめて稀であったように思う。よい写真集が少ない、というばかりではないが、私は、それらとの出会いを著しく欠いていた。
自戒を込めて言うが、「写真論」については、さらにシヴィアだろう。むしろ異なる分野での成果を写真論として読み換えていくことのほうが圧倒的に面白い。特にカルチュラル・スタディーズの成果と影響は、今後、その重要性を増すだろう。理論や批評を重視する立場からは『建築文化』誌上での松畑強らの議論は注目に値する。また、クリス・カトラーの『ファイル・アンダー・ポピュラー』(水声社)は音楽についての論文集だが、複製技術時代の表現論としてこれに啓発されるところは決して少なくない。 ほかに、番外として『回転』と『main[マン]』の2誌を挙げておく。 1996 写真集ベスト5(発行順): 畠山直哉『LIME WORKS』(シナジー幾何学、1996年3月刊、本体価格3,690円) 篠田美穂『HOME』(ユナイト写真工房、1996年10月刊、本体価格2,525円) (以下は評論) 李孝徳『表象空間の近代――明治「日本」のメディア編制』(新曜社、1995年2月刊、本体価格2,900円) ビアトリス・コロミーナ『マスメディアとしての近代建築――アドルフ・ロースとル・コルビュジェ』(松畑強=訳、鹿島出版会、1995年6月刊、本体価格3,000円) アラン・トラクテンバーグ『アメリカ写真を読む――歴史としてのイメージ』(生井英考+石井康史=訳、白水社、1995年9月刊、本体価格5,632円) 1995年ベスト5へ → click 1997年ベスト5へ → click |